トマトに含まれるリコピンは骨に対して良い効果を持つ~その1~

食品因子
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リコピンの骨に対する効果について

リコピンという言葉は聞いたことあるでしょうか?カゴメさんの影響か、ここ10年くらいで一気に知れ渡ったような気がします。

トマトに含まれる食品因子で、β-カロテンなどの仲間です。抗酸化作用はもちろんのこと、他にも様々な作用が報告されています。

今回は、リコピンの骨に対する作用についてまとめ、とりあえずは骨の細胞に対する作用です。後日、骨粗鬆症に対する作用についてもまとめていく予定です。

リコピンとは?

リコピン(リコペン)とはトマト由来のカロテノイドで、赤い色素です。近年、リコピン豊富なトマトやサプリメントなど販売されていますので、ご存知の方も多いかと思います。抗酸化作用が強いということで注目されています。

 赤い色素なので、赤いトマトに多く含まれています。逆に黄色いトマトなどにはあまり含まれておらず、その代わりにカロテンなど黄色系の色素が多く含まれています。トマト以外にもニンジンやスイカなどにも含まれています。

上図に示した通り、カロテンと違って長い鎖(直鎖)状の構造で、非常に水に溶けにくいです。また、細胞などに難水溶性(脂溶性)の化合物を試すときにはDMSO(ジメチルスルホキシド、通称ジムソーと言われています)という溶媒がよくつかわれるのですが、それにも溶けにくいです。

リコピンの破骨細胞・骨芽細胞への作用の論文

  • 破骨細胞形成および骨吸収の抑制作用(ラット骨髄細胞培養系) Rao LG, et al. J Med Food 6: 69-78, 2003
    備考:ROS(活性酸素種)産生の抑制(抗酸化作用)も認められた。
  • 破骨細胞形成の抑制および骨芽細胞分化の促進作用 Costa-Rodrigues J, et al. J Nutr Biochem 57: 26-34, 2018
    備考:破骨細胞のアポトーシスには影響を与えず、骨芽細胞分化のアポトーシスは抑制した。破骨細胞ではMEKシグナル・PKCシグナルを促進、骨芽細胞ではMEKシグナル・NFκBシグナルを抑制した。
  • 骨芽細胞増殖およびALP活性の促進作用 Kim L, et al. J Med Food 6: 79-86, 2003

用語の簡単解説
ROS (活性酸素種):身体に対して悪いもの。抗酸化物質というのはこのROSを除去する。
アポトーシス:細胞が死ぬこと(自殺というより何かによって殺されるイメージ)

また、論文発表はされていないようですが、トマト研究の日本最大手カゴメさんをキーワードに調べたところ、

リコピンで骨の破壊抑制が期待 ―カゴメ、東京農工大学との共同研究―

カゴメと東京農工大学の宮浦教授の研究チームの共同研究がされていました。こちら骨芽細胞が分泌する破骨細胞形成を促進する物質をリコピンが抑えることで、破骨細胞形成を抑制するということでした。

まとめ

リコピンの骨の細胞に対する作用としては、

  • 破骨細胞の形成を邪魔して、骨が減るのを防ぐ。
  • 骨芽細胞の増殖や分化を促進して、骨形成を促す。

が報告されていました。つまり骨が減るのを防いで、骨に良い作用をもつということです。

上に紹介した二つ目の2018年の論文で、破骨細胞、骨芽細胞どちらにおいてもMEK・PKC・NFκBシグナルは動いていると思うのですが、それぞれの細胞でリコピンが逆の作用を示すというところが、気になりました。

リコピンは脂溶性が強いため、細胞膜を透過して細胞の中に入り込んで何かしているとは思うのですが…。

リコピンというネームバリューの割にあまり論文がないな、という印象を受けました。海外ではまだそこまで注目されていないんですかね?または、最初に書いたように、非常に溶けにくいため、細胞実験には使いにくいのかもしれません。

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